野村萬斎主催公演「狂言ござる乃座67th」【能楽観賞日記】#49

狂言ござる乃座67th
国立能楽堂
2023年3月26日(日) 14:00開演

ここ最近、観劇ラッシュだったため、かなり間が空いてしまいましたが、久しぶりの能楽観賞日記でございます。

先月、狂言ござる乃座、日曜日の回を観てきました。
演目は中堅二人組による「膏薬煉」、野村家親子三代による「二人大名」、そして萬斎さんと若手たちによる楽しい花見が描かれる「花折」

今回は萬斎さんの解説ありで、越谷公演の「鈍太郎」で自然と観客が手拍子してくれたとか、前日の「ハムレット」公演では、観客が早い段階で総立ちになってくれたとか、嬉しそうに話してくださいました。その様子、私も生で拝見したかった〜!

てか、前日までストプレしてたんだよな…と思うと、凄いバイタリティだよね。どうやって、瞬時に気持ち切り替えてるんだろう?オイラは余韻に浸ってダラダラしちゃうので時間節約のためにも見習いたいw

因みに私が過去に観た「鈍太郎」は、お能の会だったので、そんな雰囲気全くなかったな〜と🤔
その自発的なノリはホールでの狂言会ならではな感じがしますね。

あと解説で、えっちなネタを言うときも、相変わらず嬉しそうなのは気のせいか?(好き)🤣www

二人大名の起き上がり小法師の謡に、良い子は知らなくて良いという(笑)オトナな隠語があるのは知らなかったです😳

狂言「膏薬煉」

上方の膏薬煉:深田博治
鎌倉の膏薬煉:高野和憲
    後見:内藤連

【あらすじ】自分自身こそが名人だと自負している鎌倉の膏薬煉(演:高野和憲)と上方の膏薬煉(演:深田博治)は、言葉巧みに自分の方が上手であると張り合うが決着がつかない。そこでふたりはお互いの膏薬を使って、どちらの膏薬の「吸い出す強さ」が強いか競い合うことに…。

*・*・*

深田・高野コンビによる「膏薬煉」。
流石、中堅コンビ、息ピッタリ🤣👍✨
素頓狂な声を出すタイミングが絶妙で笑ってしまいました🤣

因みに「膏薬煉」は過去に、二度ほど観ています。昨年の鎌倉公演で萬斎さんver.と、昨年末の横浜狂言堂にて山本家ver.を。今回は萬斎さんの解説付だったので語りの部分をより深く楽しむことが出来ました😆

▼過去に観た「膏薬煉」萬斎さんver.の感想はコチラ

▼過去に観た「膏薬煉」山本家ver.の感想はコチラ

「膏薬煉」の語りの部分、明らかに誇張した“狂言”なのに、お互い嘘つけぇ!👿とはならないんだよね(笑)。それどころか平和的なマウントの取り合いが続く(笑)。後半は演者の体力も使う、なかなか面白い演目です。

そういえば横浜狂言堂の時も東次郎先生が解説して下さったんだけど、何て言ってたっけなァ。。。確か、ホントに馬や岩を吸い寄せる力があったら、重さ的に人の方が対象物に吸い寄せられちゃうよねっていう冷静なツッコミだったな🤣w

あと毎回思うんだけど、鼻に付ける札の接着剤は何なんだろうなァ。今回は付ける直前に後見が持ってきたけど、鎌倉の時は後見の裕基くんが最初から桶に入れて持ってきて、途中で何かを塗り塗りしてるのは見ました(笑)

狂言「二人大名」

使いの者:野村万作
  大名:野村裕基
  大名:野村萬斎
  後見:中村修一

【あらすじ】大名(演:野村萬斎)が友人の大名(演:野村裕基)を誘って野遊びへ行くのだが、大名なのに供も連れず、太刀を自分で持っているのがいかにも体裁が悪い。そこで、大名は通りがかりの男(演:野村万作)を脅して太刀を持たせ、自分の召使いのように呼びつけにする。すると今度は、大名の増長ぶりに怒った男が、太刀を抜いて大名を脅し、腰刀や小袖上下を巻き上げ、鶏の蹴り合い、犬の噛み合い、起きあがり小法師のまねを次々にさせて…。

*・*・*

野村万作・萬斎・裕基、親子三代による「二人大名」。
内容は知ってたけど生で観るのは初めて。

先日観た狂言「昆布売」に似たお話ですね↓

3月は舞台『ハムレット』月間だったので、久しぶりに万作さんを観ましたが、相変わらず姿勢が良くて驚く😳

そして、萬斎さんと裕基くんの大名は、声が似てるのでハモリというかシンクロ率が凄かった😳✨
あと裕基くんは、刀を振りかざされて「危ない…😰💦」って言った時の発音がカッコよかったw

起き上がり小法師の動きも息ピッタリでした。そんな二人を操る万作さんも楽しそう(笑)で、他の配役では絶対に見られない独特の面白さがありました🤭

以前観た、同じく万作・萬斎・裕基、親子三代による「佐渡狐」も、超絶面白かった🤣ノデ、凄くバランスの取れた親子三代なんだと思う。今しか観れない、こういう共演はドンドンやって欲しいデス!👍✨

狂言「花折」

新発意:野村萬斎
 住持:石田幸雄
 立衆:野村太一郎
 立衆:内藤連
 立衆:中村修一
 立衆:飯田豪
 立衆:岡聡史
 後見:月崎晴夫

【あらすじ】寺の桜は花盛り。しかし住持(演:石田幸雄)は、花見禁制にしたから誰が来ても庭へ入れないようにと、新発意(見習い僧/演:野村萬斎)に言い付けて出掛けていく。そこへ花見客たち(演:野村太一郎・内藤連・中村修一・飯田豪・岡聡史)がやってくるが、新発意に断られたので、垣根越しに花を眺めながら酒宴を始めてしまう。酒に心惹かれた新発意は、一人だけ中へ入れてやることにするが、他の皆も付いてきてしまい、結局、新発意も加わっての花見となってしまう。そして次々と謡い舞ううちに、新発意はすっかり酔っ払ってしまい…。

*・*・*

萬斎さんと幸雄さん、そして一門の若手たちによる「花折」。
まず先程まで大名だった萬斎さんが、新発意として出てきた時は顔が若返って見えて驚いた😳どこからどう見ても若い新発意にしか見えない。なんだその、萬斎若返りマジック⁉😳💕

初めて観た演目だけど、お酒に釣られたり、花見客にまんまと侵入されたり、新発意役の萬斎さんがとにかく可愛い🤭そして宴会シーンでは、いい声の謡が聴けたり、美しい舞が観れたり…と思ったら酔が回って寝てしまう(笑)。それを脇正面1列目という特等席で観れて幸せでした😳💕

狂言は型が決まってるので、基本的には誰が演じても同じ内容ではあるんだけど、萬斎さんは、些細な一言でも絶妙な間と抑揚で客の笑いを誘うし、謡は良い声で聴かせてくれるし、舞や所作も美しく、まさに、また観たいと思わせる“芸”を魅せてくれるので、やはり最推しだなァとストプレ後の本業を見て再確認しました。

現実世界は桜が満開になった途端、連日生憎の雨で花見って感じではありませんでしたが、この日の「花折」では、萬斎さんをはじめ、一門の皆様と一緒に花見をしてる気分になれました(使用してる扇の絵柄🌸も素敵でした)。

てか、久しぶりに若手の皆様を観れてほっこり。万作の会の皆様も大好きです😌

てか先週、バリアフリー能を観に行ってるんだがね……、演目が「首引」だったから、皆さん面を着けてて、どれが誰だか分からなかったのだよ🤣www

▼前回の能楽鑑賞日記はコチラ

▼前回の『狂言ござる乃座』はコチラ

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