野村萬斎主催公演「狂言ござる乃座66th」【能楽観賞日記】#27

狂言ござる乃座 66th
国立能楽堂
2022年10月30日(日)14:00 開演

人生二度目のござる乃座、行ってきました。
今回は開演前に「ポーラ伝統文化記録映画『野村万作から萬斎、裕基へ』上映会」があったので、まずそちらへ。

場所は国立能楽堂内にある大講義室。自由席だったので適当な場所に座り鑑賞。実はこのチケットが当選した後に円盤が発売されたので、既にBlu-ray版を持ってるんですけどね😅
でも良いものは何度観ても良きですね。狂言「柑子」のシーンでは場内笑いが起きてました🤭

映画鑑賞の後はお腹が空いたので能楽堂の食堂へ。以前は皿うどんを食べたので(美味しかった)、今回は注文してる人が多かったハヤシライスにしてみたら、こちらも美味しかったです。国立能楽堂の食堂、良きです😌他のメニューも試したい😋🍴💕

狂言「重喜」

住持:野村萬斎
重喜:三藤なつ葉

地謡:内藤連・高野和憲・深田博治・中村修一・飯田豪
後見:岡聡史

【あらすじ】住持(演:野村萬斎)が修行中の若い僧である重喜(演:三藤なつ葉)に頭を剃らせることにするのだが、重喜はお布施のことを話題にしたり、剃刀の切れ味を試す途中で住持にぶつかったりして失敗ばかり。そこで住持は「弟子七尺去って師の影を踏まず」と教えを説く。重喜は住持の教えに従おうとして、竿の先に剃刀をつけ、師匠の影を踏まぬよう遠く離れて住持の頭を剃ろうとするのだが・・・。

*・*・*

珍しく地謡(バックコーラス)付きの狂言。この詞章に合わせて重喜は、剃刀を長刀のように扱い、師匠の頭を剃るのだが、もちろん上手くいく筈がなく…最後はとても痛〜〜〜い展開が待っている(笑)

3月から万作家の狂言を観始めて、ようやく、萬斎さんの姪っ子なつ葉ちゃん(八歳)を拝見することができました。座席が橋掛かりに近かったので、登場時、萬斎さんの後ろを歩くなつ葉ちゃんがとても小さくて可愛くて、でも演技は完璧でそのギャップが😉👍️✨

なつ葉ちゃん、見事な剃刀(長刀)さばきでした🤣
謡も内容が面白かった😂
こんな面白い謡ははじめて😂

パンフに書かれてた萬斎さんのコメントによると、重喜は萬斎さんが幼いときに祖父とやった思い出深い曲とのことで、かつて少年だった武司くん(←本名)も、なつ葉ちゃんのように、あんな感じで可愛らしく演じてたのかしら?🤔って、ちょっと想像しちゃいました🤭💕

この後10分間の休憩があったので(萬斎さんお着替えタイムですな🤔)、その間に裕基くんの釣狐の扇子を記念に買わせて頂きました。

狂言「空腕」

太郎冠者:野村萬斎
   主:野村万作
  後見:野村太一郎

【あらすじ】ある夕方、主人(演:野村万作)の命で使いに出かけた太郎冠者(演:野村萬斎)。臆病な太郎冠者は、日が沈んだ暗闇の中、ちょっとした物影にもおびえ、ついには何もないのに追剥と勘違いし、主人から護身用に預かった太刀を差し出して命乞いをしてしまう。その様子を影から見ていた主人は腹を立て、何も気づいてない太郎冠者から太刀を奪い返し、扇で打つと太郎冠者は驚いて気絶してしまう。

やがて正気に戻った太郎冠者はそのまま帰宅。途中で大勢の賊に会い、さんざん戦ったが、太刀が折れたので逃げ帰ってきたと、嘘の武勇伝を主人に得意げに語るのだが、事実を知っている主人は存分に喋らせたのちに、失くした太刀を見せつけて、太郎冠者の臆病ぶりを叱るのだった。

*・*・*

今回のござる乃座、どの演目も初見で面白かったのですが、中でも「空腕」は最高でした!!臆病な萬斎冠者が可愛くて可愛くて、御使いに出た時の独演部分では、萬斎さんの得意の話術を活かした芸が光る光る😂

先月の鎌腹でも思ったけど、萬斎さんはこういう独演がメインの演目がホントに上手くて、観たいと思わせてくれる喜劇役者だなと改めて思いました😌

てか空腕、早速二度目が観たくなってます。
また機会が巡って来ますように🙏

因みに私もホラーやお化け屋敷が苦手で、その理由は「暗いから」なんですよね。暗い→見えない→怖い❗なので、まして電気の無い時代、太郎冠者の恐怖心は痛いほど分かります。

…が、その恐怖心のあまり、何も無いところで追剥に出くわしたと勘違いした萬斎冠者は、こともあろうか、主人から護身用に預かった太刀を差し出して、これをやるから許してくれと命乞い😂

そして、実はその様子を後ろからこっそり見ていたご主人様🤣

気絶から目が覚めた萬斎冠者は太刀より命が大事だと、命が助かった事を喜び帰宅。先程とは打って変わって、主人に意気揚々と偽の武勇伝を語り始めるのですが、この辺が太郎冠者のお調子者の性格が表れてて面白い🤭

そして全てを知りながらも、相槌を打ちながら萬斎冠者を泳がす、主人役の万作さんとの関係性が観ていてホントに面白かった!!(ちょっと漫才チックでもあったw)

ご主人様が父親の万作さんだったから、余計に萬斎冠者が可愛く見えた気がしますね🤭

万作&萬斎親子はホントに裏切らない。最高の組み合わせ。可能な限り、これからもたくさん演目魅せて欲しいです😌

今回も脇正面からの観賞でした

狂言「仁王」

博変打:野村裕基
 何某:石田幸雄
参詣人:高野和憲・深田博治・金澤桂舟・内藤連・中村修一・飯田豪・野村太一郎
 後見:月崎晴夫

【あらすじ】賭け事に負け無一文になった博変打(演:野村裕基)が、国元を出奔する前に知人(演:石田幸雄)のもとを訪ね今後のことを相談すると、博変打を仁王に仕立て参詣人から供え物をとる知恵を授ける。早速、仁王の扮装をさせ上野に立たせると、知人が連れてきた大勢の参詣人が願をかけては供え物を置いて行くので、調子にのった博変打がもうひと稼ぎしようと待ち受けていると、今度は足の悪い男(演:野村太一郎)がやってきて・・・。

*・*・*

まず大人数モノは単純に迫力があるので楽しいです😌

そして裕基くんの仁王❗
背丈があるので映えますねェ🤭
凄い振り切ってて良きでした🤣

てか萬斎さんがよく大道芸人に例えてたけど、なるほど、こういうことかと納得しました(笑)

今回は、萬斎さんが話術で魅せたなら、裕基くんは若手らしく肉体芸で魅せてくれたって感じかな。オチは裕基くん&太一郎さんの若手コンビで決めてくれたのも良きでした👍

この狂言を見て思ったことは、何でも良いときにやめておくのが一番だということ。
欲をかいて博変打が無一文になった理由も分かる気がしますね🤭

▼前回の能楽鑑賞日記はコチラ

▼前回の狂言ござる乃座はコチラ

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