夏休み能楽教室2023〜初めての熱海〜【能楽観賞日記】#71
夏休み 能楽教室2023 ─体験・講座と鑑賞─
第二部:講座と鑑賞
MOA美術館 能楽堂
2023年7月31日(月) 13:00開演
初めての熱海〜!😆✨
ということで、地元から意外と電車一本で行けたりするんだな、と分かったので行ってきました(笑
とは言っても、第一部の能楽器体験は、朝10時に熱海に居る自信がなかったので(苦笑)、今回は第二部の「講座と鑑賞」のみ参加させて頂きました。
まず初めに、宝生流の辰巳満次郎先生による「能楽講座」から。貰った小冊子には、能楽のいろはが全て書かれており(コレを無料で貰えるの凄い)、それについてユーモアを交えながら楽しく解説してくださいました。
満次郎先生のことは動画で何度か拝見したことあるけど、生で演目を観るのは初めて。トークも上手くて、講座の段階からとても楽しかったです。
「お子さんは、どれくらい来てるのかな〜?」
(見所を見渡して…)
「はい、500人くらいですね〜」
😂😂😂(キャパ501席ですw
実際には、夏休み企画だから前日に行った「こども狂言堂」みたいに、親子連ればかりなのかな?と思ったら、意外にもオトナの方が多かったです。
今回の小鍛冶で使う黒頭と白頭。
ヤク(赤熊・しゃぐま)の毛で出来ているのですが…
子供たちの元気な声が飛び交います。
「なんの素材で出来てるか知ってる?」
\熊!/
「お、イイ線いってるね。ヒント、日本に居ない動物です」
\馬!/
「馬は日本に居るだろ〜」
\パンダ!/
「それはね、今それを使うと色々と怒られちゃうな」
😂😂😂
稲荷明神に使う白頭には、それを示すための狐の姿を型どった冠が付いてるのですが、、、
「コレ何の動物か分かるよね?」
\犬!/
「うわぁ!w」
「狐なんですが…狐に見えない?
ヘタクソかな?作り直そうかな…」
😂😂😂(確かに犬に見えなくもない…)
…と、いった感じで、見所の子供たちを交えながら面白可笑しく講座を行い、その後は休憩を挟んで、各演目の解説に進みます。
狂言「魚説法」の解説からということで、いよいよ、萬斎さんの登場です!
いつもの解説スタイルということで、黒の紋付袴。だけど夏仕様の紋付なのか、うっすら透けてて、中の長襦袢のシルエットが見え隠れしてて、なんというか、なんというか…あの、その…
細っ!!…と思いました😂
無駄がない。てか肉を感じない。
流石、自称鶏ガラ(ヲイw)
体脂肪率一桁というのは、どういうことなのか、見せつけられてしまった気分に😂
あと髪がスッキリしてた。
(でも先日の三番叟の時からスッキリしてたかもしれない。ちょっとその時は確証持てなかったのでアレだけど。)
初っ端から、子供たち相手にずっとニコニコモード。
「コレ知ってるかな〜?」「コレわかるかな〜?」と、小さな子にも分かるように、優しく、噛み砕いて説明する姿からは、子煩悩さとか、父性を感じられて、ほっこりしました💕
コレが噂の子供向け解説の萬斎さんか〜😌💕
見れて感無量✨
だけど「レインボーマンって知ってるかな〜?」と言い出した時は「ちょっ…!www」と思ってしまいました🤣(私が生まれる前の特撮やでw)
でも後から振り返ってみると、この日は大人も多かったので、彼なりのリップサービス的なものだったのかもしれない🤭(にしてもレインボーマンってw)
あと右手を包丁に見立てて、狂言はおままごとと同じだって説明するやつも飛び出しました。
「トントントン、って、この手は何?」
\包丁!/
「包丁?ホントに包丁?包丁で良い?」
\右手!/
「(ニヤリとしながらw)お、センス良いねぇ」
「でも、今、右手って言った人は狂言楽しめませ〜ん」
イジワル(笑)🤣🤣🤣
次は、満次郎先生が再び出てきて、能「小鍛冶」の解説へ。
「小鍛冶」は一度観たことがありますが、話の流れ、役者の動きを丁寧に説明してくれたので、実際に演目を観たときに、イメージしやすくなって、より分かりやすかったです。
遠くにいる人を呼ぶ声「なうなう(のうのう〜)」と、刀を打つ時の掛け声「ちようちよう(ちょうちょう〜)」を皆さんも言ってみましょう、ということで、リピートアフターミー的な事もやりました(まさか能の台詞でやることになるとは)。
「今度、遠くにいる人を呼ぶときに使ってみてくださいね」
「関係ない人も、振り向いてくれますよ」
😂😂😂
解説が終わると、いよいよ、ノンストップで狂言→能の鑑賞へ。
狂言「魚説法」
出家:野村萬斎
施主:深田博治
後見:月崎晴夫
【あらすじ】親の追善の為に持仏堂を建てた男(アド)が、堂供養を頼もうとお寺を訪ねるものの、住持は留守。そこで、留守番をしていた新発意(シテ/新米の修行僧)に説法をお願いする。説法のやり方も知らない新発意だったが、男が用意したお布施に惹かれて承知してしまう。浜辺で育った新発意は、魚の名前を並べて、説法の内容を誤魔化そうとするのだが…。
*・*・*
某ドキュメンタリー内で、万作さんと裕基くんがやってるのをチラッと見て、面白そうな演目だなァと思ってたのですが、この度、萬斎さんVer.で観れることになり、嬉しかったです。
萬斎さんは、こういう役がとても似合うなァ😂
アレ?これ魚の名前を並べてるだけじゃね?って気付いた時の深田さんの表情もサイコーでした😂
解説で、魚の名前がたくさん出てくるので、数えてみてくださいねって言ってだけど、そういう楽しみ方を提案してくれたお陰か、通常、言葉が難しいとされる古典で、魚の名前が出てくるたびに子供たちにウケてました😆
聞いてるコチラも、よくもまぁ、こんなに上手い具合に魚の名前を当てはめたこと!と、この脚本を考えた人に対して感心してしまいました(笑)
最後は「鯒(こち)は、飛び魚をしよう」と、トビウオスタイルで退場していくのですが、萬斎トビウオは、とても軽快な動きでイキが良かったです🤣👍✨
能「小鍛冶」白頭
童子/稲荷明神:辰巳満次郎
宗近:村瀬堤
橘道成:村瀬慧
末社の神:飯田豪
笛:藤田貴寛
小鼓:大山容子
大鼓:佃良太郎
太鼓:林雄一郎
*・*・*
※以前、観た時の感想とあらすじはコチラ
前半、稲荷明神の化身である童子(前シテ)について、「ここで子供が出てきます。大きいけど子供です。私がやるんですが」と言っていた満次郎先生。確かに体格が良いので、大きい子供って感じ(ジャイアン系?😂)。
でも、童子の面を付けると、ちゃんと子供に見えるんだよなァ。コレが、能面の不思議であり魅力であるというか。
萬斎さんの「虎の洞窟」で使用されてる創作面も、一番最初の面は童子がモデルになってると思うのですが、能面の中でも童子は独特の魅力を放ってる気がします。なんか、見てしまうというか、引き込まれるというか。
前回のお能の会では寝不足故に睡魔との戦いになっちゃいましたけど、今回は私好みの演目だったこともあって、ちゃんと観れたので良かったです😅
満次郎先生は、基本的に無表情のお能は引き算、表情豊かな狂言は足し算の演劇だと仰ってました。とにかくお能は引き算なので、そこに観客が足し算(想像力)をしていかないと、寝てしまうのだと😅
確かに、現代人にとってお能より狂言の方が分かりやすいのは、その辺も関係してるのかな。そう言われてみると、狂言は足し算かもしれない🤔
(じゃあ歌舞伎は掛け算かな?なんて思う今日この頃)
▼前回の能楽鑑賞日記はコチラ