替間狂言「御田」【能楽観賞日記】#57

国立能楽堂 5月定例公演
2023年5月10日(水) 13:00開演

国立能楽堂の5月定例公演を観てきました。演目は万作さんの狂言「佐渡狐」と、上田貴弘さんのお能「賀茂 素働」に、萬斎さんの替間狂言「御田」とボリューム満点の内容でした(裕基くんも居たので今日も万作家三代大活躍!)。

狂言「佐渡狐」(和泉流)

   奏者:野村万作
越後の百姓:高野和憲
佐渡の百姓:深田博治
   後見:石田幸雄

*・*・*

この演目を観るのは3度目ですが、百姓をこのフカターカの中堅コンビで観るのはお初。深田さんを追い詰める高野さんの圧が凄かった(笑)

▼前回の「佐渡狐」はコチラ

佐渡の百姓の自業自得な内容なんだけど、深田さんは他の人にはない独自のキャラクター性があるので、困り顔が上手くハマって何だか許してあげたくなってしまう(笑)

万作さんの奏者は相変わらず可愛かった🤣👍✨

奏者が狐の説明をするとき、狐役者の万作さんがすると、妙なリアリティを感じて説得力が増すのは気のせいか?🤣

この演目を今回は初めて脇正面から観たんだけど、越後の百姓がディフェンスモードに入ると奏者が全く見えなくなるので、この演目目当で観る時は、やはり正面席がオススメだなと思いました。

脇正面席の最前列からの眺め
能「賀茂」素働(観世流)

里女/別雷神:上田貴弘
    里女:吉井基晴
    天女:角幸二郎
室明神の神職:舘田善博
    従者:梅村昌功
    従者:野口琢弘

 笛:杉信太朗
小鼓:飯田清一
大鼓:亀井広忠
太鼓:林雄一郎
地頭:岡久広

間狂言「御田」

 神主:野村萬斎
早乙女:野村裕基
早乙女:飯田豪
早乙女:中村修一
早乙女:内藤連
早乙女:野村太一郎
 後見:月崎晴夫、岡聡史

【内容】京都の有名な加茂(賀茂)の社にまつわる神話を題材にした脇能。天女の御祖神(後ツレ)と荒々しい別雷神(後シテ)が現れ、五穀豊穣を寿ぐ舞を舞う。今回は「御田」の替間で、神主と早乙女たちが登場し華やかに田植の神事を見せる。

*・*・*

替間狂言と後ツレの天女の舞まで観れて、凄いボリューム満点の演目。ダブルで舞が観れて凄い充実感がありました。ワキの舘田さんが良いお声(好き)なので、何とか前半の睡魔にも勝てました(笑)

ここ最近、大鼓は亀井広忠さんに当たることが多く嬉しいのだが、この日は一段と気合が入ってて凄かったです💦(そういう曲ということなのだろうか🤔)。距離が近かったので余計に痺れた(雷神なだけに⚡)そんな大鼓の合間を縫うように奏でられる、他のお囃子の音も心地よかったです。

間狂言「御田」では、早乙女たちの着物のお色が、裕基くん(オレンジ色)、飯田さん(クリーム色)、中村さん(桜色)、内藤さん(黄色)、太一郎さん(紫)で、皆さんイメージ通りでお似合いでした👍✨

内容は、以前ござる乃座で観た狂言「田植」と同じで、調べたらこの替間狂言が元になってたんですね。

田植えの神事を舞踊化したレビュー✨
萬斎さんの謡と足拍子(ダンシング)を早乙女達の謡と共に堪能してきました👍✨

あと萬斎さんが使ってた扇が「放電場⚡」でした。雷神が出てくる演目なので、なるほどな!と思いました。後日ラジオで、普段の演目では使いどころがなかなか無いので、今回は、ここぞとばかりに使ったと(笑

あと萬斎さんが最後に片足ケンケンで、笛の音に合わせて左右に体を傾ける仕草のとき、私の後ろから「凄い…😳」って漏れた声が聞こえてきました🤭

▼前回の能楽鑑賞日記はコチラ

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