第30回 夜桜能 第二夜【能楽観賞日記】#51

第30回 夜桜能(第二夜)
靖國神社能楽堂及び内苑
2023年4月4日(火) 19:00開演

夜桜能一日目に引き続き、二日目も行ってきました。二日目は脇正面5列目。橋掛かり寄りのお席で本舞台とも近く、意外と一日目の正面最前列(本舞台と距離がある)と然程変わらない距離感で観ることが出来ました👍✨

あ、あと二日目の方が気温が暖かかったです。
一日目の寒さは何だったんだろう…ってくらい。

脇正面からは、正面席では観られない景色が広がっていました。舞台と近いし、演者の背景が鏡板や建物の壁ではない分、開放感もあり、会場全体の桜も見渡せて良きでした。まさに能楽が自然と一体になってるような感じでした。

私の斜め前の座席が空席で、見易くなっていたのもラッキーでした(笑)

狂言「花盗人」

花盗人:野村万作
 花主:野村萬斎
 後見:月崎晴夫

【あらすじ】庭の桜の枝が折られているのに気付いた花主(演:野村萬斎)が、再び枝を盗みに来た盗人(演:野村万作)を捕らえ、桜の幹に縛り付ける。盗みを後悔した盗人は和歌を詠み、それを聴いた花主は盗人に対する心情が変わってく。

*・*・*

揚幕上げたときにチラッと見えたのは中村さんかな🤔
手前側は見えないので、流石に分かりませんでしたが😅
こういう部分まで見えるのも、脇正面席の面白いところ。

以前、狂言座で全く同じ配役で観た、万作さんお気に入りの演目。推しがアドの時は、橋掛かりに居る時間が長かったり、脇正面側を向いて演技する時が多いので、脇正面での鑑賞がオススメだったりします(笑)。以前、観た時は偶然近過ぎて、ドキドキし過ぎて心臓が口から飛び出るかと(出ません!🤣)

万作さんの相手役してる時の萬斎さんも凄く好きなんですよね。チャーミングな太郎冠者や大名、胡散臭そうな僧もサイコーなんですけど🤣、万作さん相手に主人や何某の役を演るときは、ちょっとキリッとしててカッコいいンですよね😌

そんな萬斎さんを堪能しつつも、どの桜の枝を盗もうかと物色している万作さんの後ろ姿が可愛くて(笑)ちょっとキュンキュンしてました🤭💕

あと万作さんも、萬斎さんも(もちろん架空の)お酒を美味しそうに呑むので、能の演目もお酒絡みだし、ちょっと呑みたくなっちゃったわよ🤤(帰宅してから呑みましたけどね!🤣)

今回は造り物の桜の周りに本物の桜の花びらが、はらりはらりと舞い落ちて来て、より風情のある演目になってました😌

能「乱」

猩々:宝生和英
高風:宝生欣哉

 笛:一噌隆之
小鼓:鵜澤洋太郎
大鼓:亀井広忠
太鼓:金春惣右衛門

地頭:大坪喜美雄

【あらすじ】親孝行で評判の高い高風(ワキ)という男が、揚子の市で酒を売ると富貴の身になるという夢を見て、そのお告げのとおりに酒を売ってお金持ちになった。その高風の店に来て酒を飲む者で、いくら飲んでも顔色が変わらない者がいるので、ある日、名を尋ねると海中に住む猩々だと明かして帰っていった。そこで、高風はある月の美しい夜、潯陽の江のほとりに酒壺を置き、猩々の出てくるのを待つことにする。するとそこへ赤い顔の猩々(シテ)が現われる。猩々は友の高風に逢えた喜びを語り、酒を飲み、舞を舞う。そして高風の素直な心を賞し、汲めども尽きぬ酒壺を与え、消えていく。

*・*・*

今年のはじめに金春流で観た演目。

猩々というシテが演じる人ならざるもの(精霊)の独特のオーラが登場した瞬間から感じられ、ひたすら舞を舞う演目のお陰か、夜間の肌寒さも忘れて魅入ってしまいました😳💕

猩々は全身赤いため、青くライトアップされた桜の木々とのコントラストも絵になって凄く良かった。まさにこの日だけの「乱」でした。

宝生流第二十代宗家のシテは昨年初めて観たのだが、その時、役柄の効果もあってかグッと惹き込まれてしまい、もう一度、和英さんのシテが観たいと思っていたので、願いが叶って感無量!やはり自分の中で、この方も観たいシテ方さんのひとりだなと再確認しました😌

あと亀井広忠さんを久しぶりに観た気がする。調べたら、媽祖以来っぽい。え?ホントに?😅
推しが「虎の洞窟」関連のインタビューで「なんちゃって亀井広忠」とか言ってるから、全然そんな気しなかった🤣
広忠さんの大鼓は身が引き締まります!良き〜😳💕

終演後、ふと脇正面席から頭上を見てみたら、月の位置が良い感じになっていた😌

来年もまた観れたら良いな。

▼前回の能楽鑑賞日記はコチラ

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