ご当地演目「鐘の音」と「江野島」【能楽観賞日記】#39
日本全国 能楽キャラバン!in 神奈川「江野島」
神秘の島 祈祷の響き「江野島」
鎌倉芸術館 小ホール
2023年1月5日(木) 14:00開演
新年一本目の能楽鑑賞として、↑こちらの公演を観てきました。演目は野村萬斎さんの狂言「鐘の音」と、中森貫太先生のお能「江野島」。鎌倉での開催ということで、どちらもご当地演目です。
萬斎さんを生で拝見するのは、約2週間ぶりでした。座席が目付柱直ぐそばの2列目で新年早々、推し様を至近距離で観れて幸せデシタ💖
座席指定不可の中、鎌倉能舞台さんには良いお席を用意してもらってありがたや〜でした🙏
狂言「鐘の音」
太郎冠者:野村萬斎
主:高野和憲
後見:深田博治
【あらすじ】主人(演:高野和憲)は成長した息子の元服に際し、黄金の太刀を作らせようと、太郎冠者(演:野村萬斎)に「金の値」を聞いてくるよう命ずる。しかし太郎冠者は「金の値」を「鐘の音」に勘違いし、鎌倉の寺々を巡り「鐘の音」を聞き比べて帰ってくる。太郎冠者が主人に、聞き分けた各寺の鐘の音色を擬音で伝えると、主人は怒り出し…
*・*・*
太郎冠者が鐘の音を擬音で表現する楽しい演目デス😂
太郎冠者が帰宅すると鐘の音色を擬音で言い出すから、主が「奴は気でも狂ったのか?(意訳)」と、太郎冠者と主のやりとりが漫才みたいで面白かったデス🤣🤣🤣
ちなみにこの動画以上に、一発目の「もんもん…」は、言ってる時間が長かったです(すごい肺活量)😂
話の構成は『末広がり』に似てるなァと思いましたが。。。
大蔵流だと巡る寺が変わるらしいです。
年末に観た「千鳥」に引き続き、声にボリュームのある高野さんが主の役をやると手強そう感あるけど(笑)、その分、萬斎冠者のピュアっぷりが引き出って良きでした。萬斎冠者の良い鐘の音(声)と舞という、年始早々良いものが観れました😌
ただ、前日に大槻能楽堂での「三番叟」があったからなのか、たまに声が掠れてるような気がして、少しお疲れなのでは❓と感じました😰
以前ラジオで「三番叟」の翌日は声が枯れるって言ってたような気もするし、今週の野村狂言座での大奮発、2日連続「三番叟」とか大丈夫なんだろうか❓😅
1月は稼ぎ時って言ってたけど、休めるときはゆっくり休んでほしいです😅
能「江野島」
漁翁/五頭龍王(シテ):中森貫太
若い漁師(前ツレ):中森健之介
弁才天(後ツレ):小島英明
眷属の童子(子方):手島福太郎・大川眞央
欽明天皇の勅使(ワキ):舘田善博
勅使の従者(ワキツレ):則久英志・梅村昌功
鵜ノ精(アイ):飯田豪
【あらすじ】六世紀、欽明天皇の御代治世下にて、相模国にて突如として島が出現したという報を受け、勅使一行(ワキ・ワキツレ)は現地へと赴いた。到着し、漁翁(前シテ)と若い漁師(前ツレ)を見つけた勅使達はふたりに声をかけ、島について尋ねる。漁翁は島の出来た経緯を語り、さらに龍口の明神についての物語も語って聞かせた後、自らがその明神の化身であると告げ、消え失せる。(中入)
勅使のもとに弁才天から遣わされた島に住む鵜ノ精(アイ)が現れ、舞を舞って一行をもてなす。夜になると神殿の奥から、眷属の童子(子方)を連れた弁才天(後ツレ)が現れ、弁才天は如意宝珠を授けた後、舞楽を奏で、神々しい舞を舞う。やがて波風が荒くなり、あたりが黒雲に覆われると、威風堂々とした五頭龍王(後シテ)が現れる。今は国土守護の龍口明神となった龍王は、弁才天とともに国土安穏を勅使達へ約束する。
*・*・*
今回は日本全国能楽キャラバン公演ですが、鎌倉能舞台さんが行うということで、いつもの『能を知る会』シリーズ同様、お能には字幕あり。有難い。
能「江野島」は、江野島を守る龍王と弁才天の夫婦神のお話。実は殆どお目にかかれないレアな演目だそうで、カンタ先生の地元が鎌倉だからやってるのであって、でなければやらないと(笑)。ちなみにフルでやると上演時間2時間かかるので、本日は80分位に省略したそうです。カンタ先生曰く、省略しても話が成り立ってしまうところが、お能のイイところ、だそうです。
カンタ先生もツッコミ入れてましたが、前半は地謡の謡がメインなので、睡魔との戦いになってましたけど(苦笑)、後半はアイの鵜ノ精(飯田さん)や、後ツレの弁財天も舞うシーンがあってとても華やか❗てか、個人的にはアイの見せ場が多いと嬉しくなります🤭
もちろんシテの龍神の雄々しい舞もカッコ良かったです✨
ちなみに龍を型どった頭に被ってるモノだけでも1キロくらいあるとか言ってたか。壊れやすいので、これ付けてると激しく動けないんだとか。なので、ドッシリとした力強い舞でしたね。
他に子方も居たりと登場人物が多く、華やかさがあるので、お正月にとても合う演目だなと思うと同時に、レア化してるの勿体ないなァと思いました💦
実は、チケ取った時はこんなハズじゃなかったのに😢ってくらい私生活での、とある不安が解消されない中、観に行ったのですが、2週間ぶりに萬斎さんのお姿を観て、更にレアで華やかなお能の演目も観れて少し気持ち晴れました(ちなみに今は不安が解消されそうなので、だいぶ晴れてますw)。
やはり能楽鑑賞は良き。
今年もたくさん観れますように🙏
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最後のお馴染み、カンタ先生の質疑応答では、今日はホールなので申し訳程度な目付柱が立ってましたけど、演者的には面を着けると前方しか見えないので、これじゃ怖いと言ってました。最低でも背丈位はないと柱が見えないと。ホールだと難易度上がるんだなァと改めて💦
あと、舞いながら膝を落とすように着く仕草、そんなに強く打ち付けてないのだけれど、所作台なので音が響いてしまうと。能舞台だとそんなに響かないと聞いて、萬斎さんの三番叟、ホールや長唄の会の時、ゴジラ並の凄さだったのは所作台の効果も大きかったのかと思いました🤔
…そもそも能楽堂を揺らす強さで足拍子踏んでるお方なので(凄ッ💦
他にも、ツレやワキが片膝立てて待ってる姿勢はかなりツラい、普通の人なら10分と持たない、我々はプロ根性でやっているとか、見た目の良さからあの姿勢になったのではないかとか、過去に2度ほど、立ったときよろめいたら痩せろー!と怒られたとか(笑)いろんなお話が聞けて、能楽(というかカンタ先生?w)のことをまた少し知ることができ、良き体験となりました。
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