観世三郎太師の「道成寺」披キ【能楽観賞日記】#63

第一回 清門別会
観世能楽堂
2023年6月18日(日) 12:00開演

いつか観てみたいと思ってた道成寺。
しかもアイは野村萬斎さん&裕基くん親子。
この機会を絶対に逃してはならないと思い「清門別会」に行ってきました。

貰ったパンフレット、金の箔押しがされてて気合入ってる。流石。
亀井忠雄先生の追悼文も載ってました。
ここにも書かれてる通り、まさに青天の霹靂でしたね…

能「鸚鵡小町」杖三段之舞

  小野小町:山階彌右衛門
新大納言行家:宝生欣哉

 笛:一噌庸二
小鼓:観世新九郎
大鼓:亀井忠雄 → 亀井広忠(代演)

【あらすじ】百歳の小野小町を主人公にした老女物。帝から贈られた歌「雲の上はありし昔に変らねど見し玉簾の内“や”ゆかしき」に対して、小町は「〜内“ぞ”ゆかしき」と一字をかえるだけの“鸚鵡返し”の古法によって返歌をし、かつての才気をみせる。

*・*・*

シテの佇まいが、どこからどう見ても本物の老女のように見えて凄いと思った。
故に大人しい演目だが、その世界に浸ってしまい、睡魔に負けることは無かった。

今回は、中正面席からの鑑賞でした。

狂言「鎌腹」

 太郎:野村万作
  妻:野村遼太
仲裁人:石田幸雄
 後見:飯田豪

【あらすじ】太郎(演:野村万作)が怠けて薪を取りに行かないため、怒った妻(演:野村遼太)は鎌を結びつけた棒を振り上げて追い回す。そこへ仲裁人(演:石田幸雄)が現れ、妻を連れて立ち去る。残った夫は妻に殺されるくらいなら死んだ方がいいと思い、鎌で腹を切ろうとするが…。

*・*・*

以前、シテ萬斎さんで観た演目。

萬斎さんとは、また一味違うチャーミングさがありました!
激しく動く事は出来なくても、表情含め、どこかほっこりするような可愛らしさがあり、演目中ずっと私の口角は上がりっぱなしでした🤭

能「道成寺」

白拍子/蛇體:観世三郎太
道成寺ノ住僧:福王茂十郎
    従僧:福王和幸・福王知登
    能力:野村萬斎・野村裕基

 笛:杉信太朗
小鼓:大倉源次郎
大鼓:亀井広忠
太鼓:林雄一郎

【あらすじ】再興した釣り鐘の供養が行われることになり、住職(ワキ)は「訳あって女性が来ても絶対に入れてはならぬ」とお触れを出すが、一人の白拍子の女(シテ)が現れ、供養の舞を舞わせてほしいと能力(アイ)に頼み込み、供養の場へ。そして白拍子は舞いながら鐘に近づくと、鐘を落としてその中に入ってしまう…。

*・*・*

三郎太さんの道成寺、素晴らしかった!!

アイの萬斎さんと裕基くんは可愛かったし、万作さんの「鎌腹」も面白かったし、気合の入った広忠さんの大鼓も聴けたし、思い切って観に行って良かった!満足!!

昨年、三郎太さんの船弁慶を観た時も思いましたが、ベテランにはベテランの、若い人には若い人の良さがあるんだろうなと。
今回も彼にしか出せないフレッシュさがあって良かったです!👏👏👏

初めて観た道成寺のシテが彼で良かったと思いました☺️
これからも挑戦が続くと思いますが、引き続き頑張って欲しいです。

ところで、鐘の出し入れって狂言方の仕事なんですね。
今日は太一郎さん、中村さん、内藤さん、飯田さんが運んでました。
つま先立ちで移動してて大変そうだなと思いました😅💦

あと鐘が落ちた音に驚いて、アイの二人が橋掛りを転げ回るシーン。
同じ格好だし、声も似てるしで、なんだか二人が親子というより双子に見えてきて可愛かったです😂

「鸚鵡小町」では、趣のある雰囲気で、かつスコーンと気持ちのいい大鼓を奏でてた広忠さん。それが「道成寺」では一変、超超超激しくて、改めて広忠さんの凄さを魅せつけられた気がします💦
昨年の船弁慶でも思いましたけど、なんだか三郎太さんを叱咤激励するかのような勢いを感じました😳

▼前回の能楽鑑賞日記はコチラ

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