野村萬斎演出オペレッタ『こうもり』
2023年度 全国共同制作オペラ
東京芸術劇場シアターオペラvol.17
J.シュトラウスⅡ世/喜歌劇 『こうもり』(新制作)
2023年11月25日(土) 14:00開演
東京芸術劇場 コンサートホール
上演時間 約3時間15分(途中休憩2回含む)
指揮:阪 哲朗
演出:野村萬斎
出演:
アイゼンシュタイン:福井 敬
ロザリンデ :森谷真理
フランク :山下浩司
オルロフスキー公爵:藤木大地
アルフレード :与儀 巧
ファルケ :大西宇宙
アデーレ :幸田浩子
ブリント博士 :晴 雅彦
フロッシュ :桂 米團治
イーダ :佐藤寛子
合唱 :二期会合唱団
管弦楽:ザ・オペラ・バンド
(ドイツ語上演、日本語台詞、日本語・英語字幕付)
*・*・*
11月の話になりますが、野村萬斎演出によるオペレッタ『こうもり』の東京公演に行ってきました。
オペラとは無縁の生活だったので、人生初のオペレッタでした。
なので、事前に少しだけYouTubeで普通の「こうもり」を観たりして予習したのですが(てか、いろんな演出があるみたいなので、何を持って普通とするのか分かりませんけどw)、待ちに待った萬斎さん演出の「こうもり」を観て、まず、落語家の米團治さんを進行役に使って、そう来たか!と(笑)
これだけでも掴みはオッケーな感じもしますが、所々、状況説明してくれるのは、初心者にとって、その世界に入って行きやすくて、有り難かったッス。あと米團治さんの臨機応変な対応力と芸達者ぶりが凄かった!👏👏👏 MVPあげたい(笑)
萬斎ファンとしては、まだまだ新参者なので、そんなワタクシが言うのもなんですが、能楽以外の萬斎ワールドにもそれなりに触れてきたので、今回の『こうもり』も、凄い萬斎さんらしい!と思えるような演出でした。やはり作り手の色って、ジャンルが変わってもちゃんと出るんですね。
特に能舞台サイズのメイン舞台や、2階建ての構造、布の使い方の上手さ(笑)なんかは『ハムレット』を思い出しましたよ。
あと米團治さんのX(旧Twitter)でも出てたけど、3場面共通で使われてたのが12枚の畳。この12枚ってのが多すぎず少なすぎずの絶妙な数で良いですね。場面に応じて使い方が変わるのですが、それをパフォーマンスとして魅せちゃうのが凄い!
てか、場面転換中の姿を敢えてお客さんに見せるって、お能的な考え方だなァと。お能は大道具(作り物)が必要な時は、観客が見守る中、後見が運んでくるわけですから(準備・片付けも演能の一部)。能楽堂と同様、会場に緞帳がないので、その共通点を逆手に取った感じなんですかね🤔
もう、この2年未満の間に他家も含めると90公演以上、能楽を観てるので😂、あ、ここ能狂言と通ずるものあるな〜とか、多々感じながら観てました。
逆に舞台美術がシンプルな分、照明効果を上手く活用してたなァという印象も受けました。字幕システムも遊び心があって印象的でした。🦇のイラスト可愛かった😆
内容については、親父ギャグまんさい、だったなと🤣
これを萬斎さんが書いたのかと思うと…😂😂😂笑
総括すると、和風に仕上げたとは言ってましたけど、時代設定的に、和と洋の良いとこ取りしたような印象でした。自分のフィールドに完全に染めるのではなく、能狂言とオペラ、互いの特徴を活かしてコラボする、そんなような内容でした。ブラボー!👏👏👏
ハムレットにもあった、和洋折衷な世界観を生み出すのが上手いな、と改めて。てか、お能と『鬼滅の刃』の相性が良かったように、狂言と『こうもり』の相性が凄く良かったですね。上手くハマった感じがあります。
他にも、こういうオペレッタは、あるのかなァ?あったら、また演出手掛けて頂きたいですね。自分は元々、和物好きではありましたけど、改めて萬斎ワールドに触れてみて、こういう、ちょっと変わったものを観るのが好きなんだ、と気付いたので😂
だから歌舞伎なんかもハマるんだろうな、と。
最後に、オーケストラや演者の皆様も素晴らしかった!
特にオペラの歌声を生で聴いたのは初めてだったので、その凄さに圧倒されました。
個人的には、公家姿のオフロスキー…じゃなかった(笑)オルロフスキーがお気に入りです。
おしとやかなお手振り可愛かった///
着物姿でオペラ演るって、なかなか無いんじゃないかなと思うので、演者の皆様の感想も聞いてみたいですね。
カーテンコールでは、萬斎さんも登場して、照れくさそうな表情をしてたのが印象的でした。無事公演が終了して、ホッとしてるような感じにも見えましたね。
シンプルなスーツ姿でしたけど、お洒落なベストをチラ見せしてるのが、推し様らしくて良かった。あと白馬のピンズ着けてて可愛かったデス🤭