ちりちりや、ちりちり♪【能楽観賞日記】#37
梅若会定式能
梅若能楽学院会館
2022年12月18日(日) 13:00 開演
『梅若会定式能』を観に、初めて梅若能楽学院会館に行ってきました。最寄駅からどの方角に進めば良いのか一瞬分からなくて迷子になりかけたけど(苦笑)、なんとか辿り着きました。少し早めに着いたのだけど、中から人が出てきて「寒いので中へどうぞ」とロビーで待たせてくれました(ありがたや)。
そこそこ人が居たものの、凄い並んでるというのはなかったので、自由席券だったけど脇正面席の最前列を確保することができました✌️先日のセルリアン同様、ここも舞台と見所の距離が狭くて、最前列だと足元の直ぐそこに白洲がある状態でした💦
ここの能舞台は建物の二階に設置されており、上部には大きな窓があるので、昼間の間は、外からの自然光も照明の一部となって、普通の能楽堂では味わえない優しい陰影が出来ていました。昔はライトなんか無かったことを考えると、昔に近い雰囲気で舞台を楽しめる能舞台かもしれません。なかなか良い感じでした。
今回の演目は、女性能楽師三人による連吟『葛城』や、仕舞『浮舟』『実盛』『船弁慶』、一調『山姥』もあり、充実したプログラムでした。中でも『船弁慶』の仕舞が上手くてカッコ良かったです。お能でも観たことあるけど、仕舞だと身体の使い方が分かりやすくて、その動きがとてもカッコ良かったです😌
狂言「千鳥」
太郎冠者:野村萬斎
主:野村裕基
酒屋:高野和憲
後見:深田博治
【あらすじ】主人(演:野村裕基)から来客があるので、酒を一樽求めて来いと命じられた太郎冠者(演:野村萬斎)。しかし、ツケが溜まっているため、酒屋(演:高野和憲)はしぶって売ってくれない。そこで、隙を見て酒樽を持っていきたい太郎冠者は、津島祭の話を始める。伊勢路で子供が千鳥をかぶせ捕っていたのが面白かったので、その様子を見せようと言い、酒樽を千鳥に見立てて捕る真似をし、持ち去ろうとしますが…
*・*・*
以前、万蔵家(太郎冠者:万之丞さん、酒屋:万蔵さん)で観たのですが、萬斎さんver.は初めて。なので、萬斎さんver.で観るのをとても楽しみにしておりました。座席も狙ってた場所を確保できてバッチリです🤭
今回は、萬斎さんが太郎冠者で、裕基くんが主人って、なんかフシギな組み合わせ😳
まぁ、我儘な若旦那の為に、アレコレ知恵を絞る太郎冠者だと思えば、しっくり来るかも(笑)
千鳥は太郎冠者と酒屋の攻防が楽しい演目なので、今回の相手役は高野さんになります。私が初めて萬斎さんの狂言を観た時のアドも高野さんでしたが、最近の萬斎さんのお相手は弟子か若手が多かったので、ガッツリ二人が絡むのは久しぶりに観たかも🤔
今回は、お酒を盗む⁉️為に、アレコレ試行錯誤する萬斎冠者がと〜〜〜〜っても可愛かったです🤭
身体を動かすシーンも多いので、その度に体幹の良さにうっとりしたり///
表情もコロコロ変わるので、観ていてとても楽しかったです😆
しかしそこへ、お酒をタダで渡してはなるものかと、酒屋の高野さんが萬斎冠者の前に立ち塞がります🤣
普通に男役してる時の高野さんは迫力があるので、何となく中ボス感があった(笑)のですが、最後はパワー技💪で萬斎冠者に攻略されてしまうのでありました🤣
最近、萬斎さんの太郎冠者を観る機会が増えたけど、萬斎さんの太郎冠者は、なんでこんなに可愛いんだろう⁉️🤔と毎回思う(笑)太郎冠者のお調子者な性格と芸風が合ってるのかな😌
こちらの能楽舞台も見所との距離感が近いので、セルリアンに引き続き、間近で推し様を拝めて幸せでした😌💓
【自分用メモ】
— 弥珠 (@mijumaruG4) December 18, 2022
萬斎さんの本日の太郎冠者衣装、発色の良い明るめの黄緑の袴に、深緑の肩衣(何となく緑茶っぽいイメージw)。相変わらず、ちょっと派手な色味でも似合ってる🥰
てか春生まれの萬斎さんは、緑も良く似合う🥰
能「定家」
里ノ女/式子内親王ノ霊:梅若紀彰
旅ノ僧:森常好
供ノ僧:舘田善博、梅村昌功
里ノ男:石田幸雄
笛:松田弘之
小鼓:田邊恭資
大鼓:亀井忠雄
地頭:梅若桜雪
【あらすじ】旅僧(ワキ)が、荒れ果てた亭で雨宿りをしていると、里の女(前シテ)から声を掛けられる。聞けば、これは藤原定家が建てた時雨の亭で、定家を弔うよう進める。さらに女は「今日は命日ですから」と、僧を式子内親王の墓に案内する。墓には蔦葛がはいまとっている。女はその昔、内親王が定家と深い契りを結び、二人の死後も定家の執心が「定家葛」となって墓にからみついていることを語り、実は自分がその内親王の霊だと明かして姿を消す。僧が弔うと、読経によって葛はとかれ、内親王の霊(後シテ)が報恩の舞を舞い、やがて再び墓所へと埋もれてゆく。
*・*・*
気付いたら今月は、野村狂言座→横浜狂言堂→セルリアンと狂言の会しか観てなかったので、久しぶりの観能だったんだけど、シテがおとなしめの演目だったということもあり、、、
地謡の謡が気持ち良すぎて一瞬意識飛んだこと数回😱💦
脇正面最前列陣取っておいて、それは無いよ、反省💦
本当に申し訳ない…orz
でも、シテがとても美しかったのは覚えてます(ホントに
微睡みの中で観たシテは、まさに「夢幻能」でした。
てか、写真のマルで囲った部分が扉になっててだな、地謡は皆ここから出てきた。他の能楽堂もこうなってたら、ろうせつ先生の出入りもだいぶ楽になるだろうに(前回観た時、ホントに痛々しくて💦) pic.twitter.com/oZWBKP6xHc
— 弥珠 (@mijumaruG4) December 18, 2022
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