新たな門出「第101回 野村狂言座」【能楽観賞日記】#41
第101回 野村狂言座
宝生能楽堂
2023年1月12日(木) 14:00開演
第101回 野村狂言座を観に宝生能楽堂に行って来ました!
今回の目玉は何と言っても萬斎さんの三番叟(小書付き)。
萬斎さんの全身全霊を込めた舞が素晴らしかったのは言うまでもなく、見終わったあとは、ほわわわァ😳💕…とした気分になりました👍✨✨
「三番叟」三上山
三番叟:野村萬斎
千歳:野村裕基
笛:竹市学
小鼓頭取:鵜澤洋太郎
脇鼓:清水和音
脇鼓:飯冨孔明
大鼓:亀井広忠
地謡:野村太一郎・中村修一・内藤連・飯田豪・岡聡史
後見:深田博治・高野和憲
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一昨年末に沼落ちしてから、ホール → 長唄の会 → 硝子舞台 → 国立能楽堂(翁)、そして今回の野村狂言座…と、萬斎さんの三番叟を拝むのは今回で5回目。しかも全て違うシチュエーションで、この恵まれた運の良さに改めてありがたみを感じました🙏✨
今日の萬斎さんの三番叟は、いつものキレッキレ(気迫で魅せる)というよりも、ひとつひとつの所作がいつも以上に丁寧で、これは狂言座の次の四半世紀に向けて祈りを込めていたのだろうか、今までで一番美しく感じました✨
大河ドラマでの、今川義元の舞を観た後のせいか、優雅にも感じましたね✨
事前にラジオで小書きに合わせて舞も少し変えるような話をしていたからか、今回は橋掛かりもフルに使って舞っており(そっちも行くんか〜〜い!って思ったw)、こういう時に限って脇正面席が好きなのに脇正面席に座ってないというね😅
実は今回は、世界一美しい面返りを拝もうと思って正面席を選択。抽選の結果、6列目の端寄りでした。宝生能楽堂は見所の傾斜がしっかりしてるのかな。後ろの方でも観易かったです。あと、足拍子の響き具合も国立能楽堂の時より綺麗でした。後ろの席だったからか、国立能楽堂の時みたいに揺れては無かったけどね(となると、あそこの地盤、大丈夫なんか?と、ちょっと思った・苦笑)
萬斎さんの三番叟を観るのは5回目だからか、それとも、今日は席が比較的後ろだったからか、もしくは、先日他人の三番叟を観た後だったからか、いつもは気迫に圧倒されて釘付けになって観てるのに(笑)今回は感動しつつも、どうしてこんなに美しいのか?🤔と比較的冷静に観ていた気がします。
そして感じたことは、萬斎さんの揉の段は重力がしっかり感じられて、ちゃんと大地を踏みしめてるように見えるし、何なら土の香りもしてくるんじゃないかってくらいの勢いで、好きだなァと改めて思ったのです。袖使いが誰よりも上手く美しいのもポイント高いですね✨
あと今回の烏飛びは高かったなァ!😳💕
今まで当たり前のように観てたけど、鈴の振り方、音色もキレイだし、萬斎さんの三番叟は全ての所作が美しく見どころなのだと再確認した。全く隙がない。なんか鈴の段で気持ちよくなって眠っちゃうお客さんが居るみたい(※)だけど、私からしてみれば、一瞬たりとも見逃せないです。
(※解説の時、前方のお客さんの顔見ながらツッコんでた(苦笑)。推しに「面付けてても見えてるんですよ(ニッコリ)」って直接言われてしまったら、ワタクシだったら恥ずかしさと申し訳なさで、もうかぶり付きでは鑑賞できなくなってしまうと思います(苦笑)オソロシヤー)
こんなに完成度の高い神事「三番叟」を舞うお方なんだもの。今川義元のちょっとの舞だけで、普段、能楽に触れていない大河視聴者をも魅了してしまうの凄い納得だわ😌
今回は三番叟の後に、萬斎さんの解説があったのですか、萬斎さん自ら三番叟の解説してくれるの貴重だな、と思いました(私が初めて三番叟を観た時は、高野さんが解説してくれたので。てか、普通は準備の関係で演者本人が解説するって殆ど無いと思う)。
因みにアドとの問答がカラオケでの一幕(相手が遠慮してても、マイク渡すと歌っちゃう的なw)に似てるって話も高野さんから聞いてたので、あ、認識としては一緒なんだな、と思いました(笑)
小書きが付くと問答の内容が変わるのですが、狂言方らしく場を和ますために面白いこと言ってるんだけど、言葉が難しいからお客さんに伝わらないのよね(苦笑)。「皆さん気づいてくれないので言いますけど」…と内容を演者自ら説明してくれました(笑)
ちなみに本人曰く、翌日の小書きの方が派手だったらしい。
実際に観た方によるとホントに凄い三番叟だったようで、私も観たかったなァ😭(仕事でした涙)
二日目は烏飛びも5回飛んだらしく、更に休む間も無く翌日以降も公演が続くと思ったら、やっぱ体力オバケだなと思いました😅疲労回復のコツを教えてほしいw
そういえば、第1回目の野村狂言座では、万作さんの三番叟と萬斎さんの千歳で始まったと聞いて、ナニソレ、タイムスリップして観たいと思いました(笑)
次の25年後は、裕基くんの番かな😌
そして、その頃には同じ場所で、この日のことを懐かしんでる自分が居るんだろうか??
狂言「富士松」
太郎冠者:野村万作
主:野村太一郎
【あらすじ】太郎冠者(演:野村万作)が無断で旅に出掛けていたと知った主人(演:野村太一郎)は、叱るために自宅を訪ねるが、実は富士詣でをしてきたと知って許し、太郎冠者が手に入れてきた富士松を所望する。主人の要求を断りたい太郎冠者は、酒を飲ませ機嫌を取るが、主人は連歌がうまく付けなければ松を持っていくと言い出し、松を賭け物とした連歌の勝負へと発展する。
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万作冠者がとても可愛かったです。
調子に乗っちゃった時の笑顔がとても可愛い。
てか、この日もお元気そうで何より。
そういえば先日、野村万蔵さんのインスタで見ましたが、兄の野村萬さんが93歳になられたとか。
兄弟揃って人間国宝、しかもまだまだ現役!
そう考えると、凄い兄弟だなと改めて💦
狂言「不腹立」
僧:石田幸雄
施主:内藤連
施主:中村修一
【あらすじ】堂守を捜しに出た二人の施主(演:内藤連・中村修一)が、にわか坊主(演:石田幸雄)に出会い名を尋ねると、僧は「腹立てずの正直坊」と出任せを言う。怪しんだ施主たちは、僧を怒らせてみようとからかい始めるのだが…。自ら腹を立てないと名乗ってしまったばかりに、必死に怒りを抑える僧の姿がみどころの演目。
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こちらは幸雄さんが可愛かった〜。
基本的にニコニコしてるので、こういう役がとても似合います。
…が、流石に堪忍袋の尾が切れて…w
何気に、若手二人に板挟みになってイジられてる時が一番可愛かったカモ(笑
狂言「三人片輪」
博奕打:深田博治
有徳人:飯田豪
博奕打:高野和憲
博奕打:竹山悠樹
【あらすじ】体の不自由な者を召抱えようという有徳人(演:飯田豪)の家に、盲目・いざり・唖をよそおった、三人の食い詰めた博奕打(演:高野和憲・竹山悠樹・深田博治)が集まり、順々に召しかかえられる。主人が三人それぞれに仕事を命じ外出すると、三人は普段の姿に戻り、酒蔵で酒盛りを始めてしまう。そこへ主人が帰ると、博奕打たちは慌ててしまい、各自の役を取り違えてしまう。
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現在では不適切と言われてる語句が出て来ますが、古典なので多めにみてくださいネ。むしろ、NGワードだからといって無かったことにするのではなく、昔はこんな言葉が使われてたんだな、くらいの歴史を学ぶような構えでいたい。
とある金持ちが身体障害者雇用を始めたところ、スッカラカンになったギャンブラーたちが障害者だと偽ってやってきちゃった!ということですね(苦笑)。まぁ、今みたいに障害者手帳とか無いので、確かめようがありませんよね。ということで、本物の障害者は出てきません。皆、偽物です(爆
ちなみに飯田さん演じるご主人は、偽物とも知らず座頭の手を引いて上げたりして、とても優しいなァと思いました(ほっこり
なので、宴会中の三人を見つけたときのリアクションには思わず笑ってしまった!🤣
どの演目にも言えるけど、やっぱ嘘は良く無いし、すぐにバレちゃうよねー!ってことで、滑稽だけど、たくましく生きる人間像を描いた、狂言らしい演目という意味では、今回これが一番面白かったですね。
▼前回の能楽鑑賞日記はコチラ