宝生流二十世宗家の船弁慶【能楽観賞日記】#66

華宝会
宝生能楽堂
2023年7月9日(日) 14:00開演

他の公演でチラシを貰った時から、

え⁉ 宝生流宗家が船弁慶を演るのォー⁉😳
それは観たいじゃーん!😆✨
東次郎先生も好きだよォー!😆✨

って事で(笑)、某推し様は居ませんが、意を決して、ワキ方の華宝会の主催公演に行ってきました。

お能の会はシテ方主催のものが多いので、ワキ方主催は珍しいのですかね?(初心者故にその辺疎いンですが)🤔
ワキ方が活躍する演目を中心に演ってるということで、今回の演目が「船弁慶」なのも納得です。

お能の会については、いつもは某推し様が出てる公演ばかり行ってたので、誰々のこの演目が観たいという、推し以外で明確な目的を持って観に行ったのは初めての試みでした。

よって今回はなんとなく純粋に(笑)日本の伝統芸能を満喫したような気がします。狂言も能もとても満足度の高い公演でした。やっぱりお能も好きだなァと再確認するとともに、この素晴らしい芸術を国内外問わず、もっと沢山の人に観て欲しいなァと改めて思いました😌

ということで、前置きは終わり。

狂言「鶏聟」

   舅:山本東次郎
太郎冠者:若松隆 
   聟:山本凛太郎
 教え手:山本泰太郎

地謡:山本則俊、山本則秀、山本修三郎

【あらすじ】聟入の挨拶に行くため、聟(演:山本凛太郎)が聟入の作法を知り合い(演:山本泰太郎)に教わりに行くが、そこで失礼なことを言ってしまった為、教え手は意地悪して「舅の家では鶏の真似事をするのが、今時の流行りだ」と嘘を教えてしまう。真面目な聟はそれを信じてしまい…。

*・*・*

初見の演目。鶏っぽく見えるからという理由で烏帽子を被せられた聟が、舅の家について早々、両手をバッサバッサして、真面目に鶏の真似をするのが滑稽で、思わず私も他の観客も声を出して笑ってしまった😂

太郎冠者も舅も、聟の奇行に驚くが、聟が真面目な男だと聞いていた舅は、これは誰かに騙されたなと察し、それを正すのではなく、敢えて聟の奇行に合わせることにする。聟が恥をかかないよう、太郎冠者にも絶対に笑ってはいけないぞ、と念を押し、同じ烏帽子を被って鶏の真似をする舅。なんて優しいお義父さんなんだろう、と思いつつも、でも絵面は大人二人が鶏になりきってるので、凄い滑稽で🤣🤣🤣

若い凛太郎さんが演ずる聟の鶏の舞はダイナミックで、東次郎先生演ずる舅の鶏の舞はドッシリと構えた感じで。この二人の配役のバランスがとても良かったです☺️

てか、長袴で飛び跳ねたりしてて凄いなと思いました😅
やはり狂言ってアクロバティックなところあるよなァ🤔

脇正面席、最前列!

能「船弁慶」後之出 / 留之伝 / 船中ノ語 / 名所教

静御前/平知盛ノ怨霊:宝生和英
  源義経:藪俊太郎(子方)
武蔵坊弁慶:野口琢弘(華宝会)
   従者:野口能弘(華宝会)
   船頭:山本則秀
 
 笛:松田弘之
小鼓:鵜澤洋太郎
大鼓:安福光雄
太鼓:小寺真左人

*・*・*

船弁慶は昨年、観世三郎太さんのを観たのが唯一。
(あらすじもコチラに↓)

後は、萬斎さんが船頭を演ってた時の薪能を配信で観たくらいですかね。その時も早装束があったので観世流だったかと思います。

ということで、宝生流&大蔵流で観るのは今回が初めて。元々修羅能は一番好きだし、狂言方も活躍するので、船弁慶は好きな演目のひとつです。

まず、前シテの静御前。
以前、観た時は眠くなりかけたけど(苦笑)、今回は松田先生の笛がノリノリだったこともあってか、大丈夫でした(笑)

ゆったりとした舞は、気持ちよくなって眠くなりやすいのですが、最近ちょっと慣れてきたような気がします😅

今回は前シテの方が印象に残ってるくらい、素敵な舞を堪能出来ました👏👏👏

お次はアイ。
今回は小書きが沢山付いてますが、アイが船中で名所を語る場面(大蔵流のみの演出)と、ワキが一ノ谷での義経の武功を語る場面が追加され、長々とアイとワキが語ってるのは初めて見たので新鮮でした。

推しは和泉流なので、狂言方の見せ場が(時間的に)増える小書きがあるのは羨ましいなァ(笑

山本家の硬派な芸風と能の相性はとても良いように思いました😌

船頭の舟の漕ぎ方が和泉流と微妙に違い、荒波の表現となると明確に違いが表れて、ドンドンと足拍子が追加され、とても力強くて、お囃子方の勢いもあってホントに荒波を感じました。これは凄い興味深かったです(好き)

そして、後シテの平知盛の霊が現れた時の、船上の船頭、弁慶、従者、源義経(子方)のオーラが何だか凄かった😳💦
悪霊には決して負けん!!みたいな、悪霊を迎え討つオーラがまさにヒーローっぽくて、ちょっとアベンジャーズみを感じたり…(てか、映画ちゃんと観たこと無いから勝手なイメージだけど😂)

もう私が平知盛の霊だったら、速攻退散するわ〜って空気の中(笑)、後シテの平知盛の霊は勇敢に源義経に立ち向かって行きます。流石、宗家。若さ故かとても軽やかな舞を魅せてくれて、長刀捌きも軽やかでカッコ良かったです👏👏👏

子方の子も、終始気品を感じるオーラを放ってて、声量も素晴らしくて立派でした👏👏👏

そしてワキ方主催なだけあって、ワキのお二人の気合いが物凄く伝わってきました。シテとワキというより、悪役とヒーローに見えました😳

初めて観た船弁慶も凄かったケド、今回の船弁慶も素晴らしくて面白かったです。船弁慶なら絶対面白いだろうと思って来たけど、ホントに来て良かった。良き休日が過ごせました☺️

▼前回の能楽鑑賞日記はコチラ

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