七月大歌舞伎【歌舞伎観賞日記】#6

七月大歌舞伎 昼の部
歌舞伎座
2023年7月3日(月) 11:00開演

なかなかブログを触る暇がなく、更新が遅れてしまいましたが、溜まってしまった、これまでの観劇(感激)日記をまた少しずつ更新していきたいと思います。

7月3日(月)、七月大歌舞伎・初日に、中車さんの初宙乗りをしかと見届けてきました!

※演目のあらすじや配役はコチラでご確認を。
https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/820

(FFX歌舞伎をキッカケに、今年の春から毎月歌舞伎を見始めたばかりの初心者ですが、初心者なりに感じたことを書きます。)

忠臣蔵後日譚「菊宴月白浪」は、中車さんにとっては初めて尽くしの演目。四代目の代役としての大抜擢ですが、冷静に考えれば、父・猿翁さんの熱い想いがこもった演目と考えると、ある意味これが本来あるべき姿なんですよね(宙乗りのシーンで特に思った)。だから選ばれたことには知名度以外にも意味はあるのかな、と。

中車を襲名して10年、オジサンになってからのスタートで、ここまでカタチにしてるのは凄い事だし、それは畑は違えど元々役者としての基礎があったら付いてこれてるのかな、とも思う。

だけど、どう頑張っても、幼き頃から稽古してる歌舞伎役者には敵わないのもまた事実。その時間の差を埋めることは不可能に近いし、本人もそれは分かってると思う。

観てるコチラとしても素人なりに、今のは歌舞伎というより現代劇の役者っぽいなと感じる時がたまにある(現代劇の役者としてクセが染み付いてしまってるのかも)。歌舞伎役者が役を演じてるというより、役者が歌舞伎役者を演じてる…みたいな?🤔

だからこの日の舞台は、ワキの皆さんが完璧な分(先月に引き続き、壱太郎さんの安定感が凄かった。惚れた😍)、開き直って周りに胸を借り、主役として技術的に足りない部分は、心と気合いで補おうとしてるように感じられました。

その一生懸命さに人間味を感じ、彼にしか演じられない、彼なりの斧定九郎が出来上がっていたと思います。

前半は動きが硬かった見得も、後半になるとキレも良くなり乗ってきてたように思います。こりゃ、千穐楽を迎える頃には、また一皮むけていたのではないでしょうか?(週刊誌の下げ記事は真に受けないでくださいね。席は、かなり埋まってましたよ。口コミ効果で幕見席の売れ行きも良いと聞きましたし。)

四代目・猿之助さんの舞台を観た時は、その圧倒的凄さに心動かされたけど、中車さんもまた、違った側面から熱いものを感じ、過去はさておき凄く応援したくなりました(ちゃっかり再婚してたのはビックリしたけど。しかもお子様まで…!)。

オジサンになってから歌舞伎役者になった異例の存在、市川中車。彼もまた、そういう意味では唯一無二の歌舞伎役者なのだと思いました。

3階A席。丁度、宙乗りで戻るところを近くでお迎え出来ました!

猿翁さんが発案したというクライマックスの宙乗りは、忍術で飛んで逃げた敵役を大凧を使って追いかける、というシチュエーション。

舞台上で大凧に掴まり、宙乗りの準備をするんだけど、その時の中車さんの表情がなんとも言えない表情で、緊張感が伝わってきました。

(そう考えると、明治座で代役を努めた團子ちゃん…宙乗り経験済みとは言え、終始堂々とした佇まいを思い出して改めて凄い子だと思った😅💦)

最初は下手の舞台から3階客席に向かって、普通に飛んでいく。体だけの宙乗りに比べると、大凧に掴まってるので、ちょっとアトラクションっぽい🤭

これなら中車さんでも出来るだろうと、松竹も思ったのかな?🤔と思ってたら…

戻りはここから出てきた

舞台の転換が終わると、今度は上手の3階客席側から舞台へ向かって降りて行くんだけど、途中で敵の攻撃を受けてバランスを崩すという演技が入り❗😱💦
宙でジタバタした後は、傘を取り出し、それをパラシュート代わりにして降りていくという、面白いんだけど、宙乗り初心者に凄い事やらせてるな❗と思うような演出がありました😂💦

いや~中車さん、これは頑張ったよ!👍✨
そして無事成功して良かった!!

ちなみに今回は3階A席から鑑賞してたんだけど(3階B席は一般発売の時点で売切れだった😂)、座席位置を深く考えて無くて、適当に取ったら上手寄りで、大凧に張り付いた中車さんが出てくるところを間近で観ることが出来ました(ちなみに團子ちゃんの時も間近で観たよ)。よく見たら大凧の足の置き場がほんの少ししか無くて怖ッ!😱って思いましたね💦

主役が舞台に戻ると、敵役と屋根の上で一騎討ち。最初はカッコよく殺陣を披露してたんだけど、次第に瓦の投げ合いになり(小学生のケンカか!🤣)、そして頭上から瓦がたくさん落ちてきたかと思ったら、後ろの壁を突き破って、壱太郎さん演ずる金笄のおかるが登場(ドリフかよ!🤣)。敵役に父親殺されてるから敵討ちに来たんだけど、凄いコミカルで笑ってしまいました🤣🤣🤣

他にもFFX歌舞伎みたいに古典と映像の融合みたいな場面もあり、最新技術を柔軟に取り入れちゃうの、歌舞伎っぽいなァと思いました。

…というのも、最近気付いたんですけど、能は引き算、狂言は足し算、歌舞伎は掛け算の演劇だと思ってるんでね。同じ古典芸能でも全然違うんですよ、と改めて。

あ、あと今回も最高齢の歌舞伎役者・寿猿さんの元気なお姿を観れて嬉しかったです☺️

狂言界にも野村萬&万作という御長寿で超凄い兄弟が現役で舞台に立ってますけど、歌舞伎界にもそういう存在が居ると知った時は何だか嬉しくなりました😌

皆さん、いつまでも元気に舞台に経ち続けて欲しいと思います。

▼前回の歌舞伎鑑賞日記はコチラ

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