八月納涼歌舞伎【歌舞伎観賞日記】#9
歌舞伎座新開場十周年
八月納涼歌舞伎
第一部・第二部・第三部
歌舞伎座
2023年8月12日(土)
【八月納涼歌舞伎】公演情報詳細
https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/825
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8月は3部構成だったのですが、通しで全部観てきました。
第一部「次郎長外伝 裸道中」
FFX歌舞伎以来の獅童さん。
獅童さんは役が変わると声のトーンも変わるので、毎回別キャラ感がしっかり出てて凄いと思う。
今回もカッコいいアーロンとは真逆の、どうしようもない博打好きの夫をチャーミングに演じてました。結構似合ってた(笑)
そして、そんな駄目夫を何だかんだ言いながらも健気に支える妻を演じた七之助さんが素晴らしかった👏👏👏
見事に“イイ女”を演じてた。
この夫婦の絆にホロリとした。
そして主人公の恩人である、彌十郎さん演じる次郎長親分も、めっちゃ漢でカッコ良かった!😆✨
…が、タイトルにもあるように後半、野郎共が“ハダカ”になってしまうのである🤣笑
ということで、笑いあり涙ありな作品でした(好き)👍✨
あと屋根の上に居た三毛猫ちゃん(ぬいぐるみ)が、可愛かった。
あともう一種、ネズミが一瞬だけ出てくるんだけど、それも個人的には可愛かった(笑)
第一部「大江山酒呑童子」
お能の演目を参考に作られた松羽目物の舞踊劇。
装束や名乗り、前シテ→間狂言→後シテの流れなど、お能のしきたりに沿って作られてるので、この手のものは、お能好きとしてはニヤリとしてしまう演目😁
勘九郎さんを初めて生で拝見しましたが、酒呑童子の役がお見事でした!👏👏👏
表情の作り方から舞の所作まで、その一つ一つが丁寧で、その美しさに目を奪われてしまいました😳✨
童子の姿をしているけど、その正体は酒好きの鬼神ということで、お酒を美味しそうに飲むシーンでは、とっっってもチャーミングに演じられてて、観ているこちらも楽しかったです✨
映像の世界でも活躍されてる方なので、役者として上手いのは分かってたけど、こんなに美しく舞える人なんだなと思ったら、私の“個人的に観たい歌舞伎役者リスト”の中に登録されました👏👏👏
てかコレ、ホントに銀魂でスッポンポンになってた人と同一人物ですか?🤣(ヲイw)
作品自体は、お能と歌舞伎の美しい所を足して2で割ったような作品でした。
こういう演目観ると、お能も観てて良かったな、と思います(笑)
第二部「新門辰五郎」
第一部の裸道中とは違って、火消しの漢たちを描いた割りと真面目なお話。これぞ時代劇を観てる気分に。
何気にここまで、橋之助さんと七之助さん、虎之介さんがでずっぱり。もちろん、他にも役を掛け持ちしてる人は何人か居ますが。一日に何役も演じ分けてて凄いわ、と思う。
橋之助さんはメイクしちゃうと認識出来ないんだけど😂、ここでは素に近い状態でお顔でも判断がついた。
が、どちらにせよ声がワッカなので、声で認識出来るが😂
第二部「団子売」
団子売の夫婦による舞踊モノ。
舞を見るのが好きなので(あと足拍子の音も)、この手のものは、無条件で好きかもしれない。
配役が新しい組み合わせだったみたいだけど、とても綺麗で良かったと思います。
第三部「新・水滸伝」
こういうスペクタクルな歌舞伎を観るのは、「不死鳥よ、波濤を越えて」以来かしら?
やはり古典も良いけど、たまにはこういう歌舞伎も面白いですね。
昭和ライダーも好きだけど、平成ライダーも好き、みたいな(どんな例えだよw)
何よりこの手のものは現代語で言葉が分かりやすいし、宙乗りはテンション上がります(3階席だったので余計にw)
あと音楽も良かったね。
お歌もあったし。
普通の演劇感覚で観れるので、これ系は初心者にオススメできます。
あと舞台装置と舞台の広さを活かした表現や場面転換も良かったのだけど、中でも良く活用されてたのが、2階建て仕様の台と移動式の階段で、それが完全に、春に拝見した野村萬斎さん演出のハムレットと同じで驚きました😳😳😳
そういえば「波濤」に比べると、舞台美術は必要最小限に抑えてたように感じたんだけど、登場人物が多いので(観てるこっちも目が足りないくらい😂)、背景の情報量は抑えめにすることで、バランスが取れてたように思う。
主役の隼人さん。
もうはまり役なんじゃない?ってくらい、カッコ良かったし似合ってた✨
正統派イケメンで華があり、絵になるだけじゃなく実力もある。
素晴らしかったです、ホントに。👏👏👏
宙乗りも決まってた!👍✨
この配役で、続きが観たいくらい。
そして、團子ちゃん。
熱演でした。ホントに熱いものを感じた✨
あの波濤の時の代演を思い出させるかのような、熱い演技でした👏👏👏
逆境に負けず、このまま真っ直ぐ育って欲しい、きっと良い役者になれるから、と思った😌
ンで、個人的には、隼人さんには男らしいカッコ良さがあって、團子ちゃんには中性的なカッコ良さを感じてるんだけど、そんな彼らが二幕目の割と早い段階で二人きりになるシーン、絵的にめちゃくちゃ美しかった!!切ないのに美しくて、何だコレは⁉😳✨💕と思った。
(そして何気に仮面ライダードライブの、とある名シーンを思い出してしまった😅)
壱太郎さんは今まで観てきた中でも、キャラとしては可愛い系だったかも。芝居に関しては、もう女形として安定の表現力で信頼してるので特に言うこと無いです(笑)
そして、主役と同じくらい観客の心を掴んでたのが、猿弥さん演じる「王英」。敵方の女戦士に一目惚れしちゃってアレコレするんだけど(笑)ちゃんと自分の気持ちより相手の幸せを第一に考えてた所でホロリ。
ホントの愛とは何かを悟った事に、彼は漢の中の漢だと思った。
あと中車さんの親分役も様になってたし、最高齢の歌舞伎俳優である寿猿さんも観ることが出来て、嬉しく思いました☺️
初見でしたが、全体的に配役も内容も凄く良かったです。
そんな感じで、朝から晩まで歌舞伎漬けになって満足満足😆✨
たまには現実を忘れるくらい、長時間観劇に浸るのも良いなァと、思いました。
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