念願の「三番叟」が観れて感無量!【能楽観賞日記】#11

リニューアルオープン企画 杮落とし公演
『再開館を寿ぐ「三番叟」「二人袴」』
パルテノン多摩 大ホール
2022年7月3日(日) 15:00開演

先日、野村萬斎さんの「三番叟」を観にパルテノン多摩に行って来ました。

「三番叟」とは、五穀豊穣への祈りをあらわすといわれる伝統芸能の舞。能楽の世界では、直面の『揉の段』と黒い尉面をつける『鈴の段』とからなり、狂言方がつとめます。そして萬斎さんが得意とする舞でもあり、いつか絶対に生で観たいと思っていた演目でした。

【文化デジタルライブラリー『三番三・三番叟』】
https://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/contents/learn/edc12/enmoku/sanbasou.html
※リンク先に説明と若かりし頃の万作さんが舞った三番叟の映像あり

神聖でおめでたい舞なので、お正月とか舞台披きの時など特別な時しかやらないので、とても貴重な演目なのですが、今夏、パルテノン多摩のリニューアルオープンに伴い、萬斎さんが「三番叟」を舞う!(踏む描写が多いので〝踏む〟とも言うそうですが)ということで、早くも念願叶って感無量でした。

YouTubeや昔のDVDなどで「三番叟」は何度か観たけど、生の迫力は、とにかく映像とは比べ物にならないくらい凄かったです(上手エリアの3列目からの鑑賞だったので余計に)。

この日の萬斎さんの三番叟は、とてもキレッキレ✨で、

力強く!

美しく!!

こんなカッコいい舞✨、
今まで観たことがないッ!!!!!

…ってくらい素晴らしかった!!✨😭

そして、人間って美しいものを観ると心が潤うんだなって改めて感じました。萬斎さんと同じ時代に生まれて、その萬斎さんの三番叟を生で拝めて、私はなんて幸せ者なんだろうと感じました。心がホクホクになりました。

本人も命削ってやってる気がするって言ってたけど、本当にそんな感じで、生命力溢れる迫力ある足拍子の音は、翌日になっても暫く耳から離れませんでした。烏飛びも映像では1・2回目は軽く飛んで3回目で力強く着地する感じだったけど、この日の烏飛びは3回とも力強く、かつ滞空時間が長いように感じられ、ひとつひとつの動作に生命力を注ぎ込んで舞ってるような感じがしました。

もしかしたら、若い頃の方が綺麗に飛んでたとか、高く飛んでたとかあるのかもしれないけど、能楽師にとって50代って芸が熟して体力も残ってる一番良い時期(って野村四郎さんの本に書いてあった)ということもあり、今の萬斎さんから放たれるオーラが圧巻過ぎて、常に現在進行形で進化し続ける萬斎さんの三番叟が一番好きだなと感じました。また、観たい。何度でも観たい。そんな三番叟でした。てか三番叟も沼でした(笑

もうひとつの演目、狂言「二人袴」

・親:野村万作
・聟:野村裕基
・舅:石田幸雄
・太郎冠者:月崎晴夫

以前、5月の野村狂言座でも観たので、あらすじは割愛しますが、演者が変われば雰囲気も変わる。ということで、万作さんと裕基くんの父子役は安定感があり、これはこれで大いに楽しませてもらいました。(身長差のせいか、万作パパが可愛く見えました😌)

聟が舅に余計な一言ばかり喋るシーンがあるのですが、父親役の万作さんが聟役の裕基くんに「めっ!(意訳)」ってする場面が妙にリアルに感じました(笑

以前は裕基くんの狂言ボイスが萬斎さんに似ていて驚いたのですが、最近はあまりそう感じなくなってきましたね(謡はまだ萬斎さんの面影を感じますが)。裕基くんの色が徐々に出てきたのかなー?と思いつつ、その代わり今度は待機してる時のおすまし顔が萬斎さんにソックリだと気付いちゃいました。親子だからなのか、それとも師匠の演技を良く観てる表れか🤔

裕基くんの子供のころの夢は大作曲家だったようですが(微笑)、大作曲家は無理でも祖父や父を超える大狂言師にならなれるかもしれない!?ということで、将来どんな狂言師になるのか、最近では裕基くんの成長を見るのも楽しみになっております(Twitterで等身大の彼の発言を見てると癒されます・微笑)。

ルカリオ良いよね。私も好き。XYをプレイしてて、他人のルカリオに懐かれた時は複雑な気持ちになったけど(笑

▼5月の野村狂言座の感想はコチラ

▼前回の能楽鑑賞日記はコチラ

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