FF15 クリアしたので総評(ネタバレ無し)

メインストーリーをクリアーしたので、現時点での総評を。

と言っても、いろんな角度から見て思ったことをダラダラと書いてるだけです。ちなみに「現時点で」というのは、FF15はアップデートやDLCを控えており、まだ進化の途中であるためです。

ネタバレあり感想は日々のプレイ記で語っているので、今回はネタバレ無しで書いています。

 

 

 

 

ゲームにも人それぞれ、好みとか相性がある。
もしプレイして「時間の無駄だった」と感じたならば、それは単純に相性が悪かっただけ。

某レビュー上では厳しい評価の様だが、Twitterや個人ブログなどで検索してみると楽しんでる方も多数居る。私含め、評判ほど悪くなかったという意見も多数ある。自分はつまらなかったから、誰がやってもつまらない筈、というのは違う。逆も同じで、自分が面白かったから、皆も楽しめる筈、というのも違う。ゲームのプレイスタイルというのは個人差があるので、感じ方、楽しみ方は人それぞれなのだ。

なので、もし未プレイで少しでも気になっているのなら、まずは体験版をプレイすることをおススメする。バトルやシステム面に関しては体験版でジャッジできるはずだ。そして、バトルやシステム面が合わなかったら、今作は全体的に駄目だろう。

(私も過去に、バトルシステムが合わずにプレイを諦めたゲームがいくつか有る)

 

今、私が言える事は「誰が何と言おうと、私はFF15が好きだ!」ということだけ。
しっかり楽しめた人間も居るということだけは、伝えておきたい。

が、だからと言って、他人に勧められる作品かと言ったら実は微妙だったりする・・・。

何故かというと、レビューやネット上の評判を見ていて、そして、実際にプレイしていて感じたのは、このゲームは人を選ぶ。プレイスタイル次第で180度評価が変わってしまうからだ。

 

今回のFF15に関しては、映画で父・レギスの物語(=序奏)を描き、ゲームでは、その直後の物語を完全に息子・ノクト視点で描かれているので、ゲームだけでは完全な物語になっていない。映画+ゲーム本編で、ひとつの形になっており、さらにパーティメンバーとなる4人の関係性を知り感情移入度を高める為には、先に無料配信されたアニメを見ておく必要があるのだ。

(このゲームにおいて、メイン4人を好きになれるかどうかは最重要事項。なので、キャラの相性を判断するためにも事前にアニメを見ておいた方が◎)

そして、ゲーム内で可能な限り寄り道をして「旅」を隅々まで堪能し、映画・アニメ・ゲームの全ての各素材を整理して脳内補完して、やっと1つの形になり、(個人差もあるが)感動できる作りになっている。

つまり、開発者の意図した通りにプレイすることで、このゲームが初めて真価を発揮する作りになっているのだ。

ストーリーを追い掛けるのも、寄り道するのもプレイヤーの自由であり、それがゲームというものなのに、自由そうに見えて、実は遊び方を固定してしまっているという訳だ。よって、このゲームは時間をかけてじっくり遊ぶタイプのゲームなので、単純にストーリーだけ楽しみたいという人には、あまり向いていないと思う。

 

最初にも書いたが、プレイスタイルには個人差がある。ゲームの進行具合をプレイヤーに委ねる形式にしたならば、ストーリーだけ楽しもうとする人も当然居るわけで…。1周目はストーリー優先で、2周目じっくり派の人も居るだろう。だから、寄り道しないと旅(思い出)が充実しない構成ではなく、“ストーリーを追い掛けるだけでも面白いけど、寄り道したらもっと面白い!”こうなれば、FF15は完璧だったかもしれない。まさに宣伝通りの極上のFFになったと思う。

 

ストーリーが説明不足との声が多いが、確かに実際にプレイしていて、旅の目的や主役4人の関係、ヒロインの状況など、序盤で説明が簡素だったり無かったりして、映画を見ていれば脳内補完できるが、見てないと分からないだろうなって思うシーンはいくつかあった。完全に映像作品を見てる前提で作られてるなと感じた。FFナンバリング作品ってだけで、前情報無しで手に取る人も居るかもしれないのに、こんな作りで良いんだろうか?と、そこはちょっと思う。容量的に描ききれなくて映像作品との分作にしたのであれば、映像+ゲームのセット売りだけにすれば良かったのに、と思った。

3つの絆をテーマにした物語そのものは素敵なのに、分作による描写不足でそれが伝わらないのは勿体ない。こんな作りでは、映像作品を見た人と見てない人、寄り道を楽しんだ人と先を急いだ人で、評価が分かれてしまうのは当然だ。

 

私の場合は映画もアニメも事前に観たし、各ゲーム情報サイトの記事を読んでいても「旅」がテーマで寄り道を推薦しているものが多かったので、今回は、とにかく「旅」を楽しもうという気持ちでプレイ開始。結果、開発者の意図した通りにプレイして(笑)しっかりと楽しませて貰った。

中間レビューでも書いたが、ココ最近のFFはドラマ重視でゲームというより、ただ物語を追い掛けてる感が強かったので、久しぶりにゲーム(遊びの部分)としてのFFを楽しませてもらった。バトルも爽快感あるし、システム面ではゲームとしてとても充実したものだった。そういう意味では、まさに挑戦的なFFだったと思う。ここは評価できるし、一番気に入ってる部分だ。

 

前半の車旅をテーマにした世界観はとても楽しかった。後半一本道になる怒濤のストーリー展開やキャラクターも、こちらから寄り添って行けば、ノクトを中心とした3つの絆について理解出来るし、感動できた。

主人公であるノクトに感情移入し過ぎたせいでラストは泣いた。シナリオ・演出面は賛否あるだろうが、ストーリーそのものはとても良いと思う。ゲームは完全にノクト視点で、プレイヤー=ノクトだから、ノクトが分からないことはプレイヤーも分からない状態なわけだが、そこをもう少し深く掘り下げていけば、RPGとしての評価はさらに上がると思う。まぁこの辺に関しては、のちのDLCで明かされるのかもしれないが・・・。

 

個人的には、ドラクエが“プレイヤー=主人公”の主観型RPGなら、FFは主人公の人生を疑似体験しながらドラマを楽しむ客観型RPGだと思ってる。だから、田畑Dがドラクエ大好きなのは充分伝わってきたが(笑)そこは住み分けて欲しかったかな、とちょっと思う。スタッフは違っても同じスクエニ作品な訳だし。

今回はシステム面を重視した結果、シナリオが荒削りで軽くなってしまった印象だが、今後配信を予定しているアップデートやDLCもあるので、そこでどこまで深く描かれるかで、また評価が変わってくるかと思う。本編とは別のDLCだからこそ描ける内容もあると思うし。希望としては、ヒロインのルーナはルーナで行動していたみたいなので、ルーナ視点の物語も見てみたいところだ。

 

あと主人公のノクトについてだが、個人的にはお気に入りだ。ノクトの性格(態度)はとてもリアルな若者像そのもので人間味溢れる分、これは好き嫌い分かれるだろうなと思ったけど、私はアニメを見た時に根は優しい子なんだと思ったし、映画を見たときは、“未来の王の為に”を連呼されて、ノクトが背負った使命の大きさをひしひしと感じた。

彼は、どうして王子なのに王子っぽくないのか・・・彼の背負った運命や背景を想像したら何か分かった気がする。

だからノクトの普段の態度が悪くても、感情移入出来てる分、受け止めることもできた。時には彼の過酷な運命に同情もした。サブクエで困ってる人が居たら、自ら「俺が代わりに行って来ようか」なんて言えちゃうノクトに、彼の根っこにある優しさを感じてニヤニヤした(笑

そして、そんな彼を支える3人の仲間も好きだ。RPGでパーティ固定は遊びの幅を狭めてしまうが、今作はこれで良かったと思ってる。FF15はノクト、プロンプト、イグニス、グラディオの4人で1セットなんだ。この4人組が好きなんだ。絆を描くなら、余計なキャラは入れない方がイイ。

 

ということで、個人的には楽しませて貰った分、誰が何と言おうと私はFF15が好きだし、開発スタッフ・声優陣には、楽しい時間と感動をありがとう、と思ってる。もし、これに要望を付け加えるとしたら、かっこいい洋服のバリエーションを増やして欲しいと思う(笑)パーティ固定なので、せめて見た目で個性や変化を楽しみたいのだ。

ちなみに私が本格的に情報を追い掛け始めたのが、「ヴェルサスXIII」から「FF15」になってからで、発表から10年間丸々待っていた訳ではないので、この辺もすんなり受け入れられた要因のかもしれない。

過去のPVも改めて確認してみたが「ヴェルサスXIII」と「FF15」は別物だ。
それだけはハッキリ言える。

 

ところで、FFの定義ってなんだろう・・・?

昔だったら、青いウィンドウで、チョコボが居て、コマンド式RPGで・・・とか色々思いついたものだが、3Dになってからは毎回世界観もシステムも変わってるので、FFにはチョコボは居て欲しいなと思う程度だ(爆

なので、自分の中ではFFの定義ってありそうで無くなってきているのかも。過去に拘っていたらFFは進化していかない。そういう意味では今作は田畑Dの宣言通り、本当に挑戦的な作品だ。仮面ライダーで例えたら「エグゼイド」みたいな作品かもしれない(笑

とにかく近代化してガラッと変わってる。
過去のFFが好きな人程、拒絶反応を起こすかもしれない。
こりゃ賛否両論出て来ても仕方がない(苦笑

 

個人的には、今回出て来た課題は、アップデートや次回作で活かしてくれれば良いと思ってるので、今後も是非、挑戦的なFFを作ってもらいたいと思う。FFは常に新しい体験を与えてくれる、そんな存在であってほしい。まぁ、たまにはFF9みたいな原点回帰はした方が良いと思うけど。

今回は万人受けしなかった時点でナンバリング作品としては失敗だったのかもしれない。だけど、個人的には長時間楽しく遊べたので、全体的に満足度は高い作品だ。周回してトータル100時間以上プレイしたFFはあっても、1周するのに100時間以上かけたFFは今まで無かった。そういう意味でも、FF15が歴代の中でとても印象深い作品になったのは確かだ。なので、今後のDLCにもよるけど、私の中では3本の指に入れても良いかなと思ってる。

ちなみに言うまでも無いと思うけど、私の好きなFFシリーズの第1位は『FF7』だ。FF15のシナリオとシステム、両方の面で極上の出来だったら、私の中では1位になれたんだけどね。そういう意味では、惜しい作品だなって思う。

 

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